THE」カルマ
今回の障害者支援事業。前回も書いたが全くもって儲かる見込みがない。それでもやろうとするふたつ目の理由は、ズバリ「カルマの解消」。
もう15年ぐらい前のこととなるが、僕が最初に働いた福祉(医療)の現場は「老人病院」。今ではこの言葉は療養型病床群となり無くなってしまったが、当時は行き場のない高齢者の受け入れ先として「社会的入院」などと言われ問題とされていた。
そこで最初に僕が見た光景は、ただただ悲惨としか言いようがなかった。ほとんどの高齢者はほぼ24時間ベッド上での生活。食事も、おやつも、排せつも、シーツ交換の時も全てベッドの上。週に2回の入浴と、特別な行事の時、あるいは職員が暇で気が向いた時のみ車いすに乗せてもらえるという生活だった。
そのため高齢者の頭の髪の毛は逆立っていたり、歩ける人もすぐに歩けなくなったりする。「トイレに行きたい」と言ってきても、「おむつをしているからそのまましても大丈夫」と言う。だからみんな手足の拘縮が進み、どんどんボケていく。そしておむつに手を入れ始めるとつなぎ服を着せられる。(中には鍵付きのものも!)口から食べられなくなると、鼻から管を入れられ、それを抜いてしまうと、ミトン(指のない丸い手袋)をされるか、紐でベッド柵に縛られるかだった。
最初はそれにいやいや従っていたのだけれど、(結構柵に縛ったように見せかけ、引っ張ればすぐにほどけるようにしていた。)医療福祉を始めて3ヶ月=そこで働き始めておよそ3か月遂にそれらの行為に反旗を翻す。
午後からの(無駄と思える)業務を放棄し、ひたすら高齢者(病院なので患者さんと呼ぶ)を車いすに乗せ始めた。そして空いている部屋で患者さんたちと風船バレーなどをして遊び始めた。(レクリエーションです!)
周りの人になんと言われようとかまわないと思って始めたことなのだが、当時は男性職員(看護補助。当時は補助看と呼ばれた。)は僕だけだったこともあり許された。と言うよりも、患者さんの表情がどんどん変わっていき、それを他の職員も見て必要なことだと思い始め暗黙の了解となった。
けれどももちろんそのようなことは必要ないと思う職員もいる。特に僕は看護師にも許可を得ずにどんどん起こしたので、それを不満に思うものもいる。(今思えば配慮も足りなかったとは思うのだが、何せ若気の至り…。)一方僕の方はどんどんエスカレートしていく。昼食時に患者さんの何名かを車いすに乗せ食事をとるようにし、遂にはこの病院のあり方はおかしいと声に出して言うようになった。更に「寝たきり地獄はもうイヤじゃ。」という本を買ってきて見せたり、先端的なことをしている病院に見学に行き、他の職員も後から見学させたりするようなことを行った。
(実は当時もう特別養護老人ホームなどでは起こすことが当たり前となっていたので、僕が行ったことは全く先端的なことではなく、病院が時代に取り残されていただけ。)
そのため段々と対立は激しくなる。更に若気の至りで当時の僕は一度嫌いになったら、ずっと嫌い状態。そのためどちらかと言うと僕の考え派の人とも冷めた関係となっていった。それでも患者さんからは絶大な人気があったので、そのままどんどん患者さんの喜ぶことを実施し、家族からも喜ばれていた。
けれどもある時、信頼していた看護師から陰では「あいつだけは潰さなきゃいけない。」と言われていることを知り、それがショックでそこからどんどん落ち込み始め、遂には追い詰められ、自分の心がにっちもさっちもいかなくなり、遂には退職届を提出。
まあ今思い返せば、イイことをしていたのだけれど、なんせ自分の心をコントロールすることができなかった。ただ弱かった。我がままだった。
あれから15年。再び自分から重症心身障害児者をもっと社会の人々に理解をしてもらって、社会に出られるようにしたいとの想いから事業を始めた。なんとなく今回の事業はかつてのリベンジのような気がするのだ。
状況は全く違っている。けれどもこの状況を変えたいという想いは同じだ。以前の舞台は病院だったが、今回は社会(一都市)。相手は格段とデカくなっている。これまで逃げてきた分カルマがでっかくなったか?
15年の間に僕自身も様々な経験を積み、少しは丸くなったと思う。相変わらず人との付き合いは苦手(前以上に苦手)ではあるが、ある程度人の気持ちは察することができるようになった。
さあ今回僕の大きなカルマの解消はなされるのか!?総決算。僕自身でも乞うご期待というところ!
ホームページ「らいふあーと」もよろしくお願いします。
もう15年ぐらい前のこととなるが、僕が最初に働いた福祉(医療)の現場は「老人病院」。今ではこの言葉は療養型病床群となり無くなってしまったが、当時は行き場のない高齢者の受け入れ先として「社会的入院」などと言われ問題とされていた。
そこで最初に僕が見た光景は、ただただ悲惨としか言いようがなかった。ほとんどの高齢者はほぼ24時間ベッド上での生活。食事も、おやつも、排せつも、シーツ交換の時も全てベッドの上。週に2回の入浴と、特別な行事の時、あるいは職員が暇で気が向いた時のみ車いすに乗せてもらえるという生活だった。
そのため高齢者の頭の髪の毛は逆立っていたり、歩ける人もすぐに歩けなくなったりする。「トイレに行きたい」と言ってきても、「おむつをしているからそのまましても大丈夫」と言う。だからみんな手足の拘縮が進み、どんどんボケていく。そしておむつに手を入れ始めるとつなぎ服を着せられる。(中には鍵付きのものも!)口から食べられなくなると、鼻から管を入れられ、それを抜いてしまうと、ミトン(指のない丸い手袋)をされるか、紐でベッド柵に縛られるかだった。
最初はそれにいやいや従っていたのだけれど、(結構柵に縛ったように見せかけ、引っ張ればすぐにほどけるようにしていた。)医療福祉を始めて3ヶ月=そこで働き始めておよそ3か月遂にそれらの行為に反旗を翻す。
午後からの(無駄と思える)業務を放棄し、ひたすら高齢者(病院なので患者さんと呼ぶ)を車いすに乗せ始めた。そして空いている部屋で患者さんたちと風船バレーなどをして遊び始めた。(レクリエーションです!)
周りの人になんと言われようとかまわないと思って始めたことなのだが、当時は男性職員(看護補助。当時は補助看と呼ばれた。)は僕だけだったこともあり許された。と言うよりも、患者さんの表情がどんどん変わっていき、それを他の職員も見て必要なことだと思い始め暗黙の了解となった。
けれどももちろんそのようなことは必要ないと思う職員もいる。特に僕は看護師にも許可を得ずにどんどん起こしたので、それを不満に思うものもいる。(今思えば配慮も足りなかったとは思うのだが、何せ若気の至り…。)一方僕の方はどんどんエスカレートしていく。昼食時に患者さんの何名かを車いすに乗せ食事をとるようにし、遂にはこの病院のあり方はおかしいと声に出して言うようになった。更に「寝たきり地獄はもうイヤじゃ。」という本を買ってきて見せたり、先端的なことをしている病院に見学に行き、他の職員も後から見学させたりするようなことを行った。
(実は当時もう特別養護老人ホームなどでは起こすことが当たり前となっていたので、僕が行ったことは全く先端的なことではなく、病院が時代に取り残されていただけ。)
そのため段々と対立は激しくなる。更に若気の至りで当時の僕は一度嫌いになったら、ずっと嫌い状態。そのためどちらかと言うと僕の考え派の人とも冷めた関係となっていった。それでも患者さんからは絶大な人気があったので、そのままどんどん患者さんの喜ぶことを実施し、家族からも喜ばれていた。
けれどもある時、信頼していた看護師から陰では「あいつだけは潰さなきゃいけない。」と言われていることを知り、それがショックでそこからどんどん落ち込み始め、遂には追い詰められ、自分の心がにっちもさっちもいかなくなり、遂には退職届を提出。
まあ今思い返せば、イイことをしていたのだけれど、なんせ自分の心をコントロールすることができなかった。ただ弱かった。我がままだった。
あれから15年。再び自分から重症心身障害児者をもっと社会の人々に理解をしてもらって、社会に出られるようにしたいとの想いから事業を始めた。なんとなく今回の事業はかつてのリベンジのような気がするのだ。
状況は全く違っている。けれどもこの状況を変えたいという想いは同じだ。以前の舞台は病院だったが、今回は社会(一都市)。相手は格段とデカくなっている。これまで逃げてきた分カルマがでっかくなったか?
15年の間に僕自身も様々な経験を積み、少しは丸くなったと思う。相変わらず人との付き合いは苦手(前以上に苦手)ではあるが、ある程度人の気持ちは察することができるようになった。
さあ今回僕の大きなカルマの解消はなされるのか!?総決算。僕自身でも乞うご期待というところ!
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