夏の夜のミステリー
それはもう15年以上前の出来事。
当時僕はある老人病院と呼ばれるところで働いていた。老人病院とは現在は療養型病床群と呼ばれるところで、医療的処置の必要な要介護者が入院するところとされている。けれども当時はまだ介護保険前のことであり、脳梗塞などを患い入院した人で、その後状態が安定しても、家に帰ることもできず、また老人ホームなどへ入所することもできないどこへも行き場のない人が、仕方がなく病院へ入院という形を取り生活している場所であった。そのため「社会的入院」などと呼ばれていた。
その日僕は夜勤だった。その病院では1フロア看護師2名とヘルパー(補助看=今でいう看護助手)2名の計4名で夜勤をするようになっていた。21時に消灯したあと、明日の準備等を行い、23時に再び数名の排せつ介助をし、再度フロアを巡回確認する。それを終え、何もなければ3時まで看護師もヘルパーも仮眠の時間となる。3時に再度巡回し、再び5時まで仮眠し、それから朝の業務が始まるようになっていた。
(悪口を言えば寝かせきり病院だったので、それほどすることがなかったのだ。)
その日もうひとりの夜勤ヘルパーさんは女性だったので、同じ部屋に寝るわけにも行かず、僕は空いている病室(個室)のベッドで仮眠をとることにした。本当はいつでも何かあれば駆けつけられるようにしなければならないのだが、僕はいつもズボンを脱いで寝ていた。(パンツは履いてます!)
2時55分となったので、一旦起き、ヘルパー室へと向かう。そしてみんなで一緒に巡回をする。4人いるので、看護師とヘルパーのペアで二手に分かれて両端の部屋から巡回する。そのため何もなければすぐに巡回は終わる。
その日は何もなく巡回を終え、再び仮眠の時間となり、僕は個室の病室へと向かう。再びズボンを脱ぎ、ベッドにもぐりこみ、ウトウトし始めた頃…。時間は3時30分ごろか?
何処か遠くで「eikyoさん」と声が聞こえたような気がした。
「ん…?気のせいか?」
再び「eikyoさん」という声が・・・
「誰か呼んだかな?」僕は眠りに入ろうとしている。
そして次に、「eikyoさん早く!」と今度ははっきりと声が聞こえた。
「誰かが呼んでいる!」
僕は飛び起き、急いでズボンをはいて、ベルトを止める間もなく走って病室を飛び出し廊下へ出た。
するとそこは、真っ暗。「シ~ン。」物音ひとつしない。有るのは廊下と非常出口灯のみ。いつも以上に静かな世界。耳をよく澄ませば、どこかの部屋から患者さんの寝息(いびき)が聞こえるのみ…。
ゾ~。何なんだ今の声。確かに聞こえたぞ。確かに「早く!」って僕を呼ぶ声が聞こえたぞ。
それから何事もなく(?)夜明けを迎えた。
あの声は何だったんだ。もしかしてお化け???
聞こえたけれど、見えなかっただけましかな?
その後も夜勤をつづけた。けれどもそれ以来、僕を呼ぶ声は聞こえてこなかった。
21世紀をデザインするHP「らいふあーと」もよろしくお願いします。
当時僕はある老人病院と呼ばれるところで働いていた。老人病院とは現在は療養型病床群と呼ばれるところで、医療的処置の必要な要介護者が入院するところとされている。けれども当時はまだ介護保険前のことであり、脳梗塞などを患い入院した人で、その後状態が安定しても、家に帰ることもできず、また老人ホームなどへ入所することもできないどこへも行き場のない人が、仕方がなく病院へ入院という形を取り生活している場所であった。そのため「社会的入院」などと呼ばれていた。
その日僕は夜勤だった。その病院では1フロア看護師2名とヘルパー(補助看=今でいう看護助手)2名の計4名で夜勤をするようになっていた。21時に消灯したあと、明日の準備等を行い、23時に再び数名の排せつ介助をし、再度フロアを巡回確認する。それを終え、何もなければ3時まで看護師もヘルパーも仮眠の時間となる。3時に再度巡回し、再び5時まで仮眠し、それから朝の業務が始まるようになっていた。
(悪口を言えば寝かせきり病院だったので、それほどすることがなかったのだ。)
その日もうひとりの夜勤ヘルパーさんは女性だったので、同じ部屋に寝るわけにも行かず、僕は空いている病室(個室)のベッドで仮眠をとることにした。本当はいつでも何かあれば駆けつけられるようにしなければならないのだが、僕はいつもズボンを脱いで寝ていた。(パンツは履いてます!)
2時55分となったので、一旦起き、ヘルパー室へと向かう。そしてみんなで一緒に巡回をする。4人いるので、看護師とヘルパーのペアで二手に分かれて両端の部屋から巡回する。そのため何もなければすぐに巡回は終わる。
その日は何もなく巡回を終え、再び仮眠の時間となり、僕は個室の病室へと向かう。再びズボンを脱ぎ、ベッドにもぐりこみ、ウトウトし始めた頃…。時間は3時30分ごろか?
何処か遠くで「eikyoさん」と声が聞こえたような気がした。
「ん…?気のせいか?」
再び「eikyoさん」という声が・・・
「誰か呼んだかな?」僕は眠りに入ろうとしている。
そして次に、「eikyoさん早く!」と今度ははっきりと声が聞こえた。
「誰かが呼んでいる!」
僕は飛び起き、急いでズボンをはいて、ベルトを止める間もなく走って病室を飛び出し廊下へ出た。
するとそこは、真っ暗。「シ~ン。」物音ひとつしない。有るのは廊下と非常出口灯のみ。いつも以上に静かな世界。耳をよく澄ませば、どこかの部屋から患者さんの寝息(いびき)が聞こえるのみ…。
ゾ~。何なんだ今の声。確かに聞こえたぞ。確かに「早く!」って僕を呼ぶ声が聞こえたぞ。
それから何事もなく(?)夜明けを迎えた。
あの声は何だったんだ。もしかしてお化け???
聞こえたけれど、見えなかっただけましかな?
その後も夜勤をつづけた。けれどもそれ以来、僕を呼ぶ声は聞こえてこなかった。
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