« ミイちゃんPart2 | トップページ | 幸せを目指していける社会 »

2014年3月26日 (水)

タイムスリップ

 約4か月ぶりに東京を訪れる。今回は昨年の7月から9カ月にわたり実施してきたプロジェクトの最終報告会としてその成果を15分間でプレゼンテーションし、その後質疑応答するのが目的。

 朝9時半から会議開始の為前日に東京に入り、ひとり作戦会議を実施するために15時にホテルにチェックイン。宿泊するホテルは西新宿にあるハイアットリージェンシー。高級ホテル。一体どのようなホスピタリティあるサービスが受けられるのかちょっと楽しみ。フロントで部屋は11階のツインルームをご用意しましたということ。エレベーターに乗り部屋まで案内してもらい、「カーテンを開けてもいいですか?」と聞かれたので、「お願いします。」すると窓から見えたのはまさに東京らしい風景。眼下に公園が広がり、その向こうにはビルの群れがず~っと続いている。その公園をよく見てみると石が積み上げられウエーブ型をした噴水(?)があった。更に注視するとそこには20年前の僕がいた。

 大学を卒業し、(今では割と大手の)とあるメーカーに就職し、勤務先として配属されたのが東京にある営業所だった。何故だか営業職となり、毎日あちこち訪問して回った。けれどもいつまでたってもちっとも売れない。成績は上がらない。最初は期待してくれていた上司からも挙句の果てに、「おかしいんじゃないか?」と言われる始末。今考えれば全く営業に不向きな性格であり、また製品にも全く興味のなかった僕が売れないのは当然なのだが、それでも当時の自分は自分なりに悩んでいた。そして時々車で訪れるこの公園の噴水近くのベンチに腰掛け、「この先どうしたらいいのだろう?」と暗い顔していた。20代にも関わらず老けきった自分。あの時の自分がそこにおり、彼を見下ろしている僕がいた。

 当然ながらあのころの自分は、20年後に目の前にあるホテルに泊まるようになるとは夢にも思わず、前を見ることもなくただただ下を向いてため息をついているばかり。悩んではいるけれど、やる気があるようで、実はあまりなく、ただただ空から幸運が降ってくることばかりを期待していた。

 「嗚呼かつての自分よ、君に売ることはできないよ。君に営業は不向きなんだ。来年度はメンテナンス部門に配置転換される。その時は再び大泣きすることになるけれど、数年後にはそこで活躍できるから。そんな暗い顔してないで、もっと楽しみな。」と声を掛けようとも、当然ながらその声は届かない。時間とはあるようでないもの。なのでおそらくその声を届ける方法はあるのだろう。けれどもたとえ時空を超えてその声を届けたとしても、当時の自分にはその声は全く聞こえなかっただろう。

 今思えばあのころの自分は全くもって軟弱だった。実力もないくせに、ただ身勝手なプライドだけが先行して、格好ばかりつけようとしていた。

 それから20年。僕はハイアットの11階の部屋から、あのころの自分を見下ろしている。今では物売りではなく、ひたすら社会のひずみを何とかしようとしている僕。けれどもこの20年で一体どう変わったのだろう。ハゲた。それは確か。でもそれだけか?いろいろな経験をしてきた。確かに強くなったと思う。少しは実力もついただろう。以前よりぶれなくなった。けれどもここまで登って来たのだろうか。振り返れば相変わらず組織に属することができずに、身勝手な僕がいる。時にそのどうしようもなさに落ち込んだりもする僕がいる。そして相変わらず人づきあいが苦手な僕がいる。むしろまだ当時の自分の方がよかった。ついでにきっとあのころの方が年収は多かった…。(笑えない…。)

 変わった僕。変らなった自分がいる。20年の月日は長いようでもあり、短いようでもある。バスローブを着て上から見下ろす僕。偉くなったか、ならなかったか。まあどちらにせよ仕事の経費として、そしてたまたま飛行機のチケットとセットでのバーゲンセールだったし…。そう考えると結局相変わらずか…。

 それでもひとつ。あの頃よりは人のために、そして社会のために貢献しようとしている僕がいる。そして一生懸命主体的に生きている僕がいる。

 なのでハイアットさん次はもっと上の部屋でお願いします。



ホームページ「らいふあーと~僕らは地球のお世話係~」もよろしくお願いします。

« ミイちゃんPart2 | トップページ | 幸せを目指していける社会 »

心と体」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事