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2013年9月12日 (木)

この子らを世の光に

 障害者に関わり始めてはや3ヶ月。まだまだ駆け出し状態ではあるけれど、いろいろなことが見えてきた。その中でも特に思うことが、障害者から学ぶことは実に多いということ。障害者の人たちを見ていると、いつも自分自身について問いかけられる。時にそれは自分の生き方であったり、人生そのものであったりする。

 社会福祉の父(知的障害者福祉の父)と呼ばれる糸賀一雄氏は重度の障害を持つ子供たちに対して「この子たちを世の光に」と訴えている。「この子らは、みずみずしい生命にあふれ、むしろ回りの私たちに、そして世の人々に、自分の生命のみずみずしさを気づかせてくれるすばらしい人格そのもの。」あるいは、「精神薄弱児の生まれてきた使命があるとすれば、それは『世の光』となることである。親も社会も気づかず、本人も気づいていないこの宝を、本人の中に発掘して、それをダイヤモンドのように磨きをかける役割が必要である。そのことの意義に気づいてきたら、親も救われる。社会も浄化される。本人も生き甲斐を感ずるようになる。」と述べている。

 また、映画「1/4の奇跡~本当のことだから~」は特別支援学校の山元加津子先生を通じてどんな障害や病気を持った人にも(生きる)意味があることを伝えるドキュメンタリー映画。
 その中で、かつてのペルーの遺跡から発掘された布にはたくさんの手が描かれており、その中心に描かれている手は6本指の手であり、実際にその布が映し出されていた。そしてその布を飾るペルーの博物館の館長は、このころは障害を持つ人はむしろ特別な存在として扱われていたのではないだろうか、という推測をされていた。

 そして8月半ばから3日間障害者の就労支援作業所(b型)と生活介護の場をボランティアと研修を兼ねて訪れてきた。そこではひとりひとりが自分のペースで作業をしたりして、それぞれに過ごしていた。そこに流れるのはせかされることのないゆったりとした時間。
 もちろん彼らも障害を持っているというコンプレックスを抱えているのかもしれない。それでも彼らはそれを受け入れ、そしてそこを彼らの居場所としているように思えた。

 翻って見れば現代社会とは人間の中にある時間の流れを超えた超高速度の社会。そのスピードに追い付けられないものはどんどん振り落される。あるものは社会の下層に落とされ搾取の対象となり、あるものは病気や逃避の世界へと追いやられる。どこにも自分の居場所がないと思っている人がどれだけいるだろう。羽振りよく生活しているものも常に競争にさらされ、いつ振り落されるか分からないという無意識のプレッシャーを背負わされる。不安の上に成り立つ社会。そこには生命の「せ」の字も考える余裕のない社会。

 なんだか今ほど障害者の存在が必要とされている時はないのではないかという。もし彼らを「世の光」とすることができたならば…。

 糸賀氏は言う。「『この子らを世の光に』と『この子らに世の光を』の違いについて 「を」と「に」が逆になれば、この子どもたちは哀れみを求めるかわいそうな子どもになってしまいます。しかし、この子らは、みずみずしい生命にあふれ、むしろ回りの私たちに、そして世の人々に、自分の生命のみずみずしさを気づかせてくれるすばらしい人格そのものであります。」そして次のようにも述べている。「人間の本当の平等と自由は、この光を光としてお互いに認め合うところにはじめて成り立つ。」

 経済成長ばかりを追い求め続けた戦後から今日までの社会。自殺、鬱、引きこもり、いじめ、虐待、親殺し子殺し…etc。社会はいくつもの悲鳴を上げている。社会だけではない今では、地球さえも悲鳴をあげ、異常をきたし、それは人間の生存さえも脅かしつつある。光を光として認め合えていないんだな…。まだまだほど遠い状態にある。

  我に戻れば生活のシフトダウンを始めて半年。収入面の不安はありつつも、これまでにない学びの日々を過ごしている。障害者へのかかわりもそのひとつ。できることならば「この子らを世の光に」とまではいかなくても、少しでも障害者のインクルージョンに貢献できればと思う。そしてまた幾ばくかでもこの異常を来した地球環境、社会に対して優しくなれればと思う。

 未来とは切り拓くもの。創造していくもの。それはまずは想いから始まる。意識が現実を創造する。僕らは未来に責任を負っている。そして子供たちにその未来を渡す義務がある。

 どうせならばより良い未来を渡したい。心豊かに生きていける未来を。

 そのためにはまずはもっと社会が障害者を見直し、そして障害者から学ぶこと。だからまずは障害を持つ人を恐れず接してみて。きっとあなたにも光を与えてもらえるハズ!


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