家族だからできること
かつて高齢者福祉業界に身を置いていた僕から見て、随分と介護業界もいろいろなサービスが出てきたものだとつくづく思う。
僕がその業界に足を踏み入れたのは介護保険の始まる前のこと。15以上前?しかも老人病院という社会的入院(今もこの言葉使われているのだろうか?)が90%で、旧態依然の老人介護の場所であり、今思えば散々苦労したのを思い出す。
抑制ありあり、つなぎ服、寝かせきり、即おむつ、8人部屋、あと名前を忘れてしまったが悪名高き精神安定剤いくらでも、患者さんがベッドから離れるのは週2回のお風呂の時だけ…などなど毎日が闘いだった~。
そんな~時代もあったよね~♪
今では介護が必要となっても旅行にも行くことができる時代となり、在宅で生活できなくても、さまざまな種類の入居場所が提供され、さまざまなサービスが提供されるようになっている。
利用者(入居者)にとって多様なサービスが選択できるようになったことはとてもよいことである。あとはそこで働く職員がいかに技術を向上させると同時に、人間性をアップさせるかだ。
介護保険の充実により、家族はある意味介護から解放され、自由な時間を持てるようになり、あるいは働き続けることがきるようになった。
介護とは大変である。特に認知症などの場合症状によっては常に目が離せないこともある。それを家族だけが行うとなると、想像以上にストレスが重くのしかかってくる。介護地獄という言葉があったが(今もあるのかな?)、ズバリそのものといってもよいかもしれない。しかしながらそれも今ではデイサービス、ショートステイ、あるいは入居などによりその地獄から回避できるようになっている。
そんな訳で誰もが気楽に介護サービスを受けられ、受けることが当たり前になってきた今の時代。そんな中で僕は在宅生活を続けている祖父母(以下じいちゃん・ばあちゃん)の入浴介助を続けている。基本的に水曜、土曜日の週2回行っているわけだが、仕事の関係等で時々ずれたりすることもある。
じいちゃん95歳。少しは歩きもするが、ほとんどベッドで寝ている。耳はほとんど聞こえない。けど頭はしっかりしている。ばあちゃん93歳。認知症あり。以前は時々散歩の帰りパトカーでの送迎サービス利用。寝ていことも多いが、食べていることも多い。野生化半動物化している。
そんな2人の入浴介助を始めてはや2年半。
冬の時期、じいちゃんは入浴時間が長くなる。ゆっくり温まりたいのだろう。トータル20分から30分近く入っていることもある。途中で熱いお湯を継ぎ足す音もよく聞こえる。
もしこれが施設やデイサービスでの入浴ならば、絶対に許されないことだろう。おそらく5分ぐらい浸かっていれば、「長湯は体に良くないから出ましょう。」「のぼせるから出ましょう。」「血圧高くなるから出ましょう。」のオンパレードで、無理やりにでも出そうとするだろう。
実際僕もそうだった。個別入浴として対応するとしても、ある程度の時間がたつと、「そろそろ出ましょうか?」と声かけし、上がってもらっていた。もちろん利用者さんにより長短はある。それでも10分以上は入れていない。
そこにはどうしても「他人」という壁がある。いくらゆっくり浸からせてあげたいと思っても、他人(ヒト)さま故に「万が一何かあってはいけない」という意識がどうしても働いてしまう。例え家族からお風呂が好きだから好きなだけ入れてやってくださいと言っても、やはり遠慮が働く。(あと、他にも入る人がいるんだという効率的なことも考えてしまうこともあるけれど…。)
その点自分のじいちゃんだとその点思いいきり割り切っているところがある。95年間生きてきた。いつ死んでも大往生。お風呂は数少ない楽しみのひとつ。それなら好きなだけ入れさせてあげよう。もちろん何かあるといけないのでお風呂の外で待機し、ひげ剃って、頭洗ってあげ、時々見守りチェック、浴槽から出るときはつくようにしている。緊急時はスーパー介護士復活体制は整えてある。万が一のときは責任持つし、後悔もしない。
でもまあ、基本的には「好きなだけ入りや。」
ちなみにばあちゃんの場合はある程度浸からせると、「そろそろ出や。」と声をかけるようにしている。でないとお風呂で疲れて動けなくなるから…。
あとは寝るもよし。食べるもよし。
僕がその業界に足を踏み入れたのは介護保険の始まる前のこと。15以上前?しかも老人病院という社会的入院(今もこの言葉使われているのだろうか?)が90%で、旧態依然の老人介護の場所であり、今思えば散々苦労したのを思い出す。
抑制ありあり、つなぎ服、寝かせきり、即おむつ、8人部屋、あと名前を忘れてしまったが悪名高き精神安定剤いくらでも、患者さんがベッドから離れるのは週2回のお風呂の時だけ…などなど毎日が闘いだった~。
そんな~時代もあったよね~♪
今では介護が必要となっても旅行にも行くことができる時代となり、在宅で生活できなくても、さまざまな種類の入居場所が提供され、さまざまなサービスが提供されるようになっている。
利用者(入居者)にとって多様なサービスが選択できるようになったことはとてもよいことである。あとはそこで働く職員がいかに技術を向上させると同時に、人間性をアップさせるかだ。
介護保険の充実により、家族はある意味介護から解放され、自由な時間を持てるようになり、あるいは働き続けることがきるようになった。
介護とは大変である。特に認知症などの場合症状によっては常に目が離せないこともある。それを家族だけが行うとなると、想像以上にストレスが重くのしかかってくる。介護地獄という言葉があったが(今もあるのかな?)、ズバリそのものといってもよいかもしれない。しかしながらそれも今ではデイサービス、ショートステイ、あるいは入居などによりその地獄から回避できるようになっている。
そんな訳で誰もが気楽に介護サービスを受けられ、受けることが当たり前になってきた今の時代。そんな中で僕は在宅生活を続けている祖父母(以下じいちゃん・ばあちゃん)の入浴介助を続けている。基本的に水曜、土曜日の週2回行っているわけだが、仕事の関係等で時々ずれたりすることもある。
じいちゃん95歳。少しは歩きもするが、ほとんどベッドで寝ている。耳はほとんど聞こえない。けど頭はしっかりしている。ばあちゃん93歳。認知症あり。以前は時々散歩の帰りパトカーでの送迎サービス利用。寝ていことも多いが、食べていることも多い。野生化半動物化している。
そんな2人の入浴介助を始めてはや2年半。
冬の時期、じいちゃんは入浴時間が長くなる。ゆっくり温まりたいのだろう。トータル20分から30分近く入っていることもある。途中で熱いお湯を継ぎ足す音もよく聞こえる。
もしこれが施設やデイサービスでの入浴ならば、絶対に許されないことだろう。おそらく5分ぐらい浸かっていれば、「長湯は体に良くないから出ましょう。」「のぼせるから出ましょう。」「血圧高くなるから出ましょう。」のオンパレードで、無理やりにでも出そうとするだろう。
実際僕もそうだった。個別入浴として対応するとしても、ある程度の時間がたつと、「そろそろ出ましょうか?」と声かけし、上がってもらっていた。もちろん利用者さんにより長短はある。それでも10分以上は入れていない。
そこにはどうしても「他人」という壁がある。いくらゆっくり浸からせてあげたいと思っても、他人(ヒト)さま故に「万が一何かあってはいけない」という意識がどうしても働いてしまう。例え家族からお風呂が好きだから好きなだけ入れてやってくださいと言っても、やはり遠慮が働く。(あと、他にも入る人がいるんだという効率的なことも考えてしまうこともあるけれど…。)
その点自分のじいちゃんだとその点思いいきり割り切っているところがある。95年間生きてきた。いつ死んでも大往生。お風呂は数少ない楽しみのひとつ。それなら好きなだけ入れさせてあげよう。もちろん何かあるといけないのでお風呂の外で待機し、ひげ剃って、頭洗ってあげ、時々見守りチェック、浴槽から出るときはつくようにしている。緊急時はスーパー介護士復活体制は整えてある。万が一のときは責任持つし、後悔もしない。
でもまあ、基本的には「好きなだけ入りや。」
ちなみにばあちゃんの場合はある程度浸からせると、「そろそろ出や。」と声をかけるようにしている。でないとお風呂で疲れて動けなくなるから…。
あとは寝るもよし。食べるもよし。
まあ、お風呂はしっかり見ておいてあげるから、安心して入ってや。それが子供のころ世話してもらったお返しや。
そんな訳で介護サービス全盛時代の中にも、家族だからできるものがある。そしてそれが僕の中の豊かさにもつながっている。
何を持って豊かさとつながるか分からない。もしかするとどのようなこともある側面から見ればすべてが豊かさにつながっていくのかもしれない。
豊かさの実感が次の時代をつくる。
ということでこれからも介護休暇しちゃいます。
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