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2010年10月

2010年10月31日 (日)

分水嶺

10年以上前のことだ。僕はアメリカのイエローストーンナショナルパークにいた。当時は企業に務めていたこともあり、一週間程度の短い夏休みだった。その夏休みをこのアメリカ最初の国立公園でキャンプをして過ごそうと思ってやってきたのだが、現地に到着してから時差ボケもあり体調が悪くなり、風邪を引き体が熱っぽくなってしまった。

当然体力が落ちてしまったこともあり仕方なくキャンプをするのをやめ、宿を取りゆっくり過ごすことにした。(せっかく巨大バックパックにテントを背負い成田まで電車を乗り継ぎそして、飛行機も3度も乗り継いでやって来たのに!しかも到着したのは夜中の2時ごろで、そこは小さな小さな空港で、外に出るとタクシーの一台もいなかった…。そこでその時空港にいた唯一の職員の人に頼み込んで、街のモーテルまで連れて行ってもらったことを今でも覚えていおる。あの時想像以上に寒くて震えたのだ。)

 休暇後半体調も次第によくなり始め、体も動くようになってきたので僕はイエローストーンナショナルパークの主要観光名所をバスで巡るツアーに参加した。 

 20人程度のマイクロバスには十数名の観光客が乗り込み、運転者はちょっと今で言うメタボリックな(当時はそのような言葉はなかったのだが…)30代ぐらいの、陽気でジョークを飛ばしつつもその仕事とこの国立公園いかにも愛しているという感じのアンちゃんだった。(名前を聞いたけれどももう覚えていない。仮にリックとしておこう。)

 リックは運転をしながらマイクを通じてこの国立公園のその広大さ、歴史、山や動物のことなどさまざまな説明をしてくれる。残念ながら僕の英会話能力は日常会話ができる程度で、その話のスピードについていけずに半分程度しか分からない。

けれどもその話の中で「ここイエローストーンのコンティネンタル・ディバイドは…片や…太平洋へ。片や…方向を変え…ミシシッピリバー…メキシコ…」と運転をしながらマイクで説明をしてくれ、「コンティネンタル・ディバイド?大陸・分割、太平洋へ・・・ミシシッピ川となりメキシコへ?」とよく分からないながらも、なんだか魅力に惹かれる話を聞いた。

 そしてその夜英和辞典と簡単な地図を見ながらその話をまとめてみた。「このイエローストーンナショナルパークはロッキー山脈の中にあり、ここは北米大陸の分水嶺に当たる。ちょうどここに降った雨は二手に分かれる。一方はスネークリバーの水となり太平洋に向かう。片やもう一方ではその雨水は一度この大陸の中央へと向かい山脈を迂回し、そして今度は大きく向きを南に変え合衆国で最長のミズリー河となり数千キロながれ、やがてミシシッピ河と合流する。このミシシッピ河は世界の3大河川といわれ、この北米大陸を南へと流れ、遂にはメキシコ湾へと流れていく。」ということだ。

 そして僕は想像した。もし僕がこの地の石ころだとしたら、どちらの川を転がっていくだろうか。片やロッキー山脈から(地図上では)急流のように太平洋という広大な海へと向かっていく。あるいは長い長い何千キロの流れの中を転がっていき、メキシコ湾を目指していくか。 

ちょうど僕はこの頃仕事を始めて4年近くになろうとしており、この先どうするか考えていたころなので、それは僕自身の人生のように感じ、人生物語として重ねていった。

 翌日イエローストーン最後の1日、僕は体力も回復したのでレンタサイクルでマウンテンバイクを借り、公園内をサイクリングすることにした。広大な公園なので限られた時間のなかではそのほんのごく一部しか走ることはできないけれども、その日は晴天に恵まれ、気持ちよく自転車を走らせることができた。調子の悪かったころの鬱憤を晴らすかのように、ワクワクしながらペダルを踏んでいく。まだこのころのマウンテンバイクは重かったけれども、それ以上に気分は高揚していた。

途中湿原地帯を通ると、そこを流れる川はグネグネと蛇行しながらゆっくりと流れていた。僕はそこで自転車を止めそばにあった岩の上に座りその河と風景を眺めながら、再び分水嶺のことを考え始めた。このまま今の会社にいるか、それとも飛び出して新しい道を歩んでいくか。その平坦な湿原の中をゆっくりと川の水は流れていく。ここから見るまるで止まっているかのようだった。けれどもその水は確かに流れている。そしてその湿原の中にポツリと1,2本の木が立っていた。なんだかその木が今の僕を象徴しているように感じた。

「よし歩みを進めよう!僕が選ぶ道はでっかい太平洋に行くのか、それともメキシコ湾に向かって長い長い旅をするのかどちらか分からない。けれども確実に一歩を踏み出そう!とにかく転がり始めるんだ。」と僕は決断した。

あれから10年以上の日が経過した。振り返ってみると僕が選んだのはどうやら長い長い道のりのようだ。今どの地点にいるのだろう?ようやく山脈を迂回して新たな方向に向かおうとしているのか。それともまもなく大河に合流するのだろうか。いずれにしろまだまだ先の長い道のりであることは確かなようだ。このちっぽけな僕という石ころはまだまだ転がっていく。いつかは分からないけれど、やがて出るであろう大きな海を目指して。

・・・・・・・・・

それまでこの石ころはあるのかな。削られて丸くなって、やがて粉々になり水と一体化してなくなってしまうかな。それもいいだろう。万物と一体化するのなら。&その頃にはきっと汚染された海もきれいになっているかな?

2010年10月23日 (土)

僕らは地球のお世話係~「共生・共発展のひとつの姿」

松山市の旧北条地区にある標高986メートルの高縄山。松山中心街から車で1時間半から2時間程度で頂上近辺まで行くことができる。頂上付近には高縄寺という山寺があり、この寺はかつての伊予松山の豪族河野家の菩提寺であり、独特の重みのある雰囲気を漂わせている。今から800年前の室町時代に建てられたお寺(現在の建物は1767年に再建)であり、その本尊は木造千手観音立像である。

高縄山はふもとから頂上近辺まで杉や竹に覆われてはいるが、山頂付近では河野家による伐採禁止令よって、ブナの原生林や樹齢何百年の杉が現在も手付かずのまま残されている貴重な林となっている。

 そのブナと杉に覆われた林の一角で、この度癒しの森コンサートが行われた。演奏者は長野県に在住の亀工房というアコースティックギターとハンマー・ダルシマーという楽器をご夫婦で演奏するデュオである。ハンマー・ダルシマーとは台形の箱に86本の弦が張られており、それを2本の木製のばちで叩いて演奏する「打弦楽器」であり、ピアノの原型といわれている。その音色は何とも言えない透き通った音だ。

 コンサートが始まり、アイルランド地方の民謡、日本の唱歌、そして彼らのオリジナル曲等がトークを交えながら演奏されていくのであるが、僕はそのアコースティックギターとハンマー・ダルシマーの音色にどんどん引き込まれていった。いや僕だけでなくそこにいる観客全員がその魅力にひきつけられていく。両者の透き通った音そして優しいメロディはここのところ疲れていた僕の心を少しずつ癒していく。

亀工房は「ここち良い音楽」をモットーにしており、東京都公認の「ヘブン・アーティスト」に認定されているとのことだが、まったく納得できる。東京だけでなく日本のヘブンアーティストといっても何ら問題ないと思える。もちろんこの高縄山のブナ原生林という空間もそれだけでもマイナスイオンを発生させながら僕を癒してくれる。新緑の季節などはその若々しい緑と生命の息吹とが重なり格別な空間となる。

 途中のトークで「前を見ていても私たちを見ているだけなので、(後ろを向いて)この景色を眺めながら音楽を聴いてみてください。」とのことで僕は後ろを向きブナの木々を見ながら演奏曲を聴いてみた。するとどうだろう、ブナの葉っぱが優しく日光に照らされ、また葉っぱの間から光はこぼれてくる。そしてどこからか鳥の鳴き声も聞こえており、その声はアコースティックギターとハンマーダルシマーと一緒にメロディとなって聞えてくる。何とも言えない世界がこの会場を包んでいた。

 いつの間にかそこは音楽と自然が見事に調和した世界となっていた。なんだかこの高縄山の自然とそこにいる精霊がこの音楽を讃えているようだ。人間が作り出し奏でる音楽と自然が見事に調和し独特の世界を作り出す、これこそ地球と人間の共生・共発展のひとつの姿だ。そう地球と人間が共生・共発展するというそのひとつの姿は、人間がクリエイト(創造)したものが自然と調和するということなのだ。そこで両者によって紡ぎだされたものはとてつもないパワーを放つ。その力は地球をハッピーにするし、人間もハッピーにする。両者をひとつの高みに上げていく。

ホームページ「らいふあーと~僕らは地球のお世話係~」もよろしくお願いします。

2010年10月17日 (日)

僕らは地球のお世話係②  ~エコロジーの定義と方法~


①シンプルかつエレガント
  ~「シンプルかつエレガント」これがすべての基本となります。生活の仕方(生活スタイル)、ものの選び方(選考基準)、価値判断などそれらがシンプルかつエレガントであるかどうか確かめてみましょう。~
 世の中シンプルなだけのものならたくさんあります。けれどもそのシンプルさの中にエレガントさがあるかどうか。エレガントとは訳せば優雅さとなりますが、美しさ、優しさ、人の心など伝わってくるものがあることが大切です。

②丈夫で長持ち
  ~物を選ぶときには丈夫で長持ちするものを物を選びましょう。~
 長く使っていると愛着(愛情)が湧いてきます。するとますます大切にするようになります。そして最後にそれが役目を終えたときにはありがとうという気持ちがわいてきます。

③循環できる
  ~自然に還るものを選びましょう。~
  あるいは次のものへと生まれ変わることができる(リサイクルできる)ものを選びましょう。

④知足
  ~「足るを知る」ことを学びましょう。~
  それはいま本当に必要かどうか、今あるものではだめなのかを考えてみましょう。今あるもの、与えられたものに喜びを見出してみませんか。

⑤もったいない
  ~「もったいない!」この心を大切にしましょう。~
   数年前ノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリ・マータイさんが感銘を受けたこの言葉「もったいない」。もう一度思い出してみましょう。

⑥自分のペースで
  ~自分のできる範囲で行いましょう。~
   無理すると長続きしません。エコロジーはある意味継続し、習慣とすることです。

⑦地球が喜ぶ
  ~それをすると地球が喜ぶ(Happy)と思えるか考えてみましょう。~
   もちろんあなた自身もHappyであることが大切です。

⑧天に委ねる
  ~以上を踏まえて「よし!」と思ってやったあとは天に委ねましょう。~
 

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